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エルム街の悪夢を観た日

物凄く久しぶりに観た。良かった。

いつ作ったのかわからないくらい年季の入ったビデオだったのでノイズ入り気味だったのと画面も暗めでよくわかんない部分があったのがちょっと残念だったけれども、逆のそのハイコントラスト+レトロサウンドちっくなのが雰囲気出まくりで良かったです。よ。ああいう色合いは嫌いじゃない。

ホラー/サスペンス(含スプラッター)では主人公やその周囲の人物の行動が理不尽であればあるほど面白みが増してくるというのは八十年代前半から定説のようですが、この映画も期待に応えて物凄くいらいらする登場人物ばかりです。最初にハイライトが当たるのが主人公ではない女の子という、構成までいらいらさせる懲り様です。マジで IQ が 20 くらいしかなさそうなロッドと、主人公のボーイフレンドで IQ はロッドの倍くらいはありそうなグレン(若き日のジョニー・デップ)がややキャラ被り気味なのは単純に失敗だと思うんですが、それらもストーリー的にはぴったりの位置づけなので文句なしです。あと、フレッド・クルーガーよりティナ(最初の被害者)の方が怖いです。モルグから抜け出してきたのかよ!みたいな。

ところどころに「あれ、スクリーム?」とか「羊たちの沈黙?」とか「クリムゾン・リバー?」みたいな、いろんな原点垣間見れて良い映画だと思います。スクリームはくだらない理由のため半分くらいしか観てませんが。あと、字幕が結構ダメだったのでそれは残念です。音楽は割と良さげでした。当時としては頑張ってる特殊効果もまぁよく出来てるんじゃないかな、とか。強気キャラのせいもあってか主人公がフレッドを圧倒気味なのはちょっと物足りないながら、それを補って余りある母親のダメ人間っぷり(アル中で殺人犯)も輝いてました。っつか主人公の女の子、「ラビリンス」に出てた?

あとラストの唐突さがちょっと違和感ありながら、十三日の金曜日みたいな「次回作までの仮のハッピーエンド」なんてことになってないところが潔いと思いました。「どこで?いつ?」とかそういう時勢を全部吹き飛ばしてしまうのは構成がちょっと弱いからかも知れないとか。七日間寝てたって本当かよ。みたいな。

どのシーンもちょっと滑稽に見えてしまうのはやっぱりドリフターズの功績かと思います。次回は「スプラッターとエロティシズム」でお会いしましょう(三流コメンテーター気取りで)。

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