三月一日から五日、三泊五日のオーストラリア旅行に行ってきました。何かと(別の意味で)話題の中部国際空港から出発、オーストラリア北部・クイーンズランド州の観光地、ケアンズまで。卒業旅行という名目ながら、同行した幼なじみ(男)は来年卒業とか、スタート地点から怪しかったりしますが。
覚えている範囲で、出来事をつらつら書きましょう、と。
2005-03-01 Tue.
19:55 発の飛行機でセントレアからケアンズへ向けて。オーストラリア航空。前の席のおっさんが物凄く鬱陶しかったことと、空席に勝手に移動するおばちゃんにげんなりしたことと、とにかく長時間のフライトで疲れたことと、真っ暗だったので景色も何も楽しめたものじゃなかったこと、くらいしか覚えていなかったり。疲れた。
あと、機内食の壮絶さといったらなかった。壮絶だった。
2005-03-02 Wed.
現地時間 4:00 周辺にケアンズ空港到着。時差は日本より一時間遅れているくらいなので時差ボケなんてありえないのだけれど、飛行機の中でろくに眠れなかったために凄い疲労度。ツアー会社のバスに乗って、現地事務所へひとまず集合、説明を受ける。今さらオプショナルツアーの説明されても事前予約してるよ、抱っこちゃんコアラなんていいからとにかく休ませてくれよ、と不満を募らせながら説明を聞く。ごめんなさいスタッフの H さん。
6:00 頃に一通り説明が終わり、ぐったりしながら街をうろつく。が、当然開いている店の方が少ないわけで、ていうか 14:00 までチェックインができないので八時間をどうにかして潰さなければいけないわけで、とりあえず同行者が「(機内食の)口直しをしたい」というので、アーケードに並んだいくつかの店を眺め、Kebab を食べることにする。味自体は普通に食べれたのだけれど、ドリンクが甘い甘い。あと虫とか鳥とかうろうろ。最初のカルチャーショック。
放浪に放浪を重ねて(半分は事務所前で座ってた)、8:00 を過ぎるあたりから店が開き始める。それでもまだうろうろして、10:00 頃に iNTiME というマリンスポーツショップ?へ。日本を出る際に水着を用意しなかったという不手際さ。どうせ向こうの方が安いだろう、という確信的不手際さ。ベッキーみたいな声の高い女性店員は局所的に日本語を交えるので、余計コミュニケーションが取りづらかった。
余談だけれど、今ケアンズ人口の半分くらいは日本人だよ!
そのベッキーの店ではちょうど良いサイズの水着がなかったので(ウエストが大きすぎ)(最低で 30 までのサイズしかなかったけれど、腕一本余分に入った)、"Another store, we have size twenty-eight, NIJU-HACHI" とか微妙に聞き取りづらい高音域ボイスの説明を頼りにチェーン店へ向かう。余裕で迷う。北へ向かうべきところを東へ向かっていたり。
で、チェーン店には確かに 28 があったのだけれど、試着室もないしデザインも微妙だったので結局ベッキーの店へ戻る。高音域で "Oh, OKAERI" とか言われる。彼女らはどこで覚えるのだろう?観光客の会話を聞き取るとか、現地日本人スタッフから?(もちろん、日本人が一番お金を放り投げるからだろうけれど。)
水着とサンダルを買い、アクセサリーショップの日本人スタッフの案内で Lagoon へ。ケアンズ観光街にあるプールのようなもので(海水)、そこで三十分ほど泳ぐ。日本人が多い。
時間がちょうど良い感じになったので、ホテルへチェックイン。Cairns International Hotel は割にランクの高いホテルだそうで、確かにベッドルームは最高だったので大満足だった。歯ブラシと剃刀がなかったので後日マーケットに買いに行くのだけれど。二人部屋にダブルベッドが二つ、ということは連れ込み可だろうか!とか言い合うも、僕らにそんな気概はないのです。寝心地とかは最高でした。空調も最高でした。
六階の窓から見える景色はなかなかに壮観だったのだけれど、あのホテルは確か十五階か十六階くらいまであったから、きっとそっちはもう筆舌に尽くしがたいのだろう、とか。
マーケットへ行き、生活雑用品と飲料水と歯ブラシを買う。そんなに物価は安くはなくて、ペットボトル一本 3.50 AUD、日本円で 300 円前後くらいだった。同一の商品でも店舗ごとに結構値段の違いがあったり、メーカーによって倍近い値段だったり、という点も日本とは大きく異なるのだけれど。土産物屋で TimTam とジャーキーを買う。前者は冗談かと思うくらい甘いチョコレート菓子、後者はカンガルーやエミューの燻製。食べられなくはない。
土産物屋にあったカンガルーやクロコダイルの前足を使った孫の手が物凄く不気味だった。黒魔術儀式にも使えそうなので、お立ち寄りの際にはどうぞ。
2005-03-03 Thur.
オーストラリア滞在二日目はクルーザーで グリーンアイランド へ。結構なスピードで走るし揺れるしでちょっと酔う。ていうか本当に日本人多い。乗船スタッフの四分の一くらいは日本人スタッフだったような気がする。日本人客の割合もそれくらい。
一時間弱の船旅後に着いたグリーンアイランドは、もう最高としか言いようがなかった。グレートバリアリーフの珊瑚礁だったかが世界遺産に指定されていたというような話だったけれど、見た瞬間に確信を持つことができるものだった。死ぬまでに一度は見ておくべきものを見られた。海、碧、空、青、砂、白。魚に 20cm の距離まで近付ける。雨季であったためたまに雨がぱらぱらと降ったが、晴れたらすぐにそれを取り戻すかのような暑さに。紫外線対策はしすぎて困ることはなくて、日本から持参した強力日焼け止めでは三倍の紫外線に耐え切れず、背中一面を真っ赤にすることになった。あと髪も焼けてやや色落ちした。
昼食はそのままグリーンアイランド内のバイキングで。小鳥が人間のおこぼしを狙って徘徊(雀や鳩もいた)。というか相当ワイルドに人間の食事を狙っている黒い鷺のような鳥がいて、椅子や机の上から首を伸ばしつつ威嚇などしていた。かなり大げさに手を振ると逃げるのだけれど、30cm くらいの距離に近付いただけでは微動だにしなかった。タフ。
食事後再度泳いだりする。そういえば底面が硝子張りになったボートで珊瑚礁を見学もした。シャコ貝だったか、数メートルサイズの貝なんかも見た(あれってブラックジャックに出てきたやつだろうか)。珊瑚礁の造形も理解、というか、空想や想像の枠を思い切り飛び越えたようなものだった。
14:00 過ぎにグリーンアイランドを出発し、ケアンズへ戻る。その後少し買物をしてうろうろするけれど、相当疲れていたのと背中が焼けすぎて痛かったので早々とホテルへ戻る。食事をしに外へ出たり買物したり、の繰り返し。食事はお世辞にも美味しいとは言えず(日本人の口には合わなさそう)、油で揚げたものは必ずバターの味がしたり、どこか大雑把なところが残っているものであったり。ケンタッキーもマクドナルドもどこかが違う。コカ・コーラはダイエットコーラの味だったり、ペプシコーラがやたらと美味しく感じたり。ケンタッキーはベーコンとチーズを追加でトッピングできたりして、それは目新しくて良かったのだけれど。
2005-03-04 Fri.
オーストラリア滞在三日目は電車で、これも世界遺産に指定されている キュランダ へ。
外観も内装も乗り心地もレトロな電車で、二時間かけて高度 340m のキュランダ村へ。路線開通には歴史的なエピソードと大工事があったとのことで、ケアンズ郊外の共同墓地を横目に見る。
ユリシーズ(ユリシス?)・バタフライ という「一度見たら幸せになり、二度見たら幸せが帳消しになり、三度以上見たらお金持ちになれる」なんて幸せの青い鳥を地で行くような綺麗な蝶が見られたりする。
「この風景は十年間、『世界の車窓から』のオープニングで使われていたんですよ」とのこと。僕はあの番組の密かなファンであったりします。
途中、何とか言う駅に着く(ストーニークリークだっけ?忘れた)。物見台のようなところから壮絶な滝の景色が見られるから、是非写真を撮ってみてくれ、というスタッフの声に促され、電車に乗った数百名規模の人たちが一箇所に集まり、カメラを構える。いかにも日本人らしい光景であるなぁと思ったのだけれど、観光客というのはそうあるべきのようで、白人も多く見られた。キュランダに集まるのは日本人で、欧米人はモスマン渓谷に集まりがちのようです(蝶の習性のような解説)。
バロンフォールズ(バロン滝)は物凄かった。絵葉書かミニチュアでしか見たことのないようなものを、数百メートル先に見ることができた。ケイン・コスギと宍戸開が「ファイト一発」のアレを撮影に来たそうですよ(どうでもいいけれど)!
キュランダ村で食事をしてから、買物と散策。日本人スタッフ多すぎ。BICO というサーファーズブランドのネックレスなんかを仕切りに薦めてくれて、「〇〇(何かのドラマ)でキムタクが着けていた」「中居くんも着けていた」「これは浜崎あゆみモデル」と実に(僕にとっては)魅力的でないセールストークで迫ってくるので、学生生活中に習得した作り笑顔スキルで乗り切る。実際日本人の何パーセントかにとっては物凄く魅力的な商品で、値段も相当に安いのだろうけれど。ネックレスがチェーン込みで 50 AUD 切るくらい、日本円で四千円くらいでした。同行者は「来る前に友人からの買い付けリストを作成していれば」といかにも残念そうな発言をしていて、僕は「それは残念だなぁ」と思った。
とにかくそういった感じで買物をして、森林浴をして、その後帰りはゴンドラで麓まで。世界二位の長さ(一位は日本の新潟)、二つの連なったゴンドラを合計すると世界一位の長さ、という売り文句のゴンドラ。エリザベスさんという偉い人も乗ったそうですよ。僕はその人のことをよく知りませんが。
地上数十メートルのゴンドラから見るキュランダの熱帯雨林は本当に壮観で、窓からデジカメを差し出して撮った写真は絵葉書にすればお小遣い稼ぎにはなろうものであったのです。あとヤドリギとか、がじゅまるみたいな木も多くあってカオスな熱帯雨林でした。幹が直径四、五メートルはありそうな木とか。ジェットコースターは大丈夫だけれど観覧車が苦手な僕にとって、ゴンドラは向こう十年乗りたくない乗り物に認定されたわけですが。
ケアンズ着後、なぜか免税店で買物、というところまでツアーに含まれているのだとか。DFS Galleria で三十分くらい買物、帰りに無料でチョコレートをくれた。パッケージのチョコレートと中身のチョコレートの形が全然違い、しかも個数すらパッケージの方が多いという JARO に訴えたくなるような珍品をいただいたのだけれど、そもそも JARO の管轄でもないし無料で訴えるなんて恥知らずであるので恥の文化圏である日本人的にうやむやに水に流そうと思った。
ホテルに帰り着いてからは前日と似たような行動。同行者は前日の夕食の味にショックを受け、自主的かつ一身的な事情により夕飯抜きでした。
2005-03-05 Sat.
朝食を Lagoon 近くの喫茶店のコテージみたいな場所で。ハム・チーズ・ベーコンベーグルとショートマキアート(スターバックスのキャラメルマキアートみたいな甘いのではなくて、真っ黒で重いくらい濃いコーヒー)。正直これが滞在中の食事で一番美味しかった。あと雀の大きくなったようなやつが食事中にも皿に乗ろうとするので、隣の席のスキンヘッドビジネスマンは相当苦労していた。
ふと目をやると Lagoon 周辺にいくつかテントが出ていて、土曜日朝限定らしいマーケットのようなものが開かれていた。いくつか面白い商品があったので眺めて、貝殻のアクセサリーなんかを買った。
9:30 頃ホテルの部屋に戻ると、現地旅行会社スタッフの H さんから直接部屋に電話がある。「帰りのバスのご案内は何時頃となっていたでしょうか」明らかに悪い予感をともないつつパンフレットを見ると、チェックアウトは 11:00 と書いてある(前日確認済み)。が、それを伝えると「三枚綴りの、当日お渡しした……」と。嫌な予感がかなり強まり不安が増強しまくり冷や汗やや流れまくりなので「とりあえず今から下(ロビー)に行きます」と告げ、ロビーへ。数分後 H さん現れ、こちらの手荷物確認すると、黄色い蛍光マーカーの引かれた 8:35 の文字が無事発見される。慌ててバスへ。運転手のリチャードは日本通で「ゲッツ!」とか言っていた(どうでもいい)。
空港へはすぐに着き、出国手続きが始まるくらいのところであった。というか帰りのバスで送迎後、一時間 DFS Galleria で買物、ということになっていたようで、正直免税店に全然興味を持たない僕(ら)にとってはそこだけ省いたかたちになり結果オーライ(スタッフにとってみれば連絡全然つかなかったわけだからオーライでも何でもないのだけれど)(大変な仕事だなぁ)。
帰りの飛行機は天候も良く日も高く、景色はまたこれも凄いものであって、眠気も余裕で吹き飛んだ。あと機内映画は "MR.INCREDIBLE" と "BRIDGET JONES'S DIARY" で結構楽しんだ。行きの飛行機とはまさしく雲泥の差であったよ!
帰国後、同行者が「向こうの思い出を清算したい」的なニュアンスの発言で日本食を求めるので、すがきやラーメンでねぎラーメンを食すのを傍目に銀だこを食する。日本は何を食べても大抵美味しいので幸せだ。
無事、帰宅。背中の日焼けは痛痒く、二日後の朝には同じくセントレアから韓国へ飛び立つ強行スケジュールであるけれど、無事帰り着いた。
単純に海外へ自分の責任で行くことだけでなく、オーストラリア・クイーンズランドという土地はとても素晴らしいところであった(飲食に関して心構えをしておけば)。見るべきものは見られたし、行くべきところにも大体行けた。同行者にも出資者(親)にも感謝であって、ていうか本当に明日韓国行かなきゃダメですか?気温差摂氏 30 度近くあるんですけど。