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いつもここから

「かなしいときー」
「かなしいときー」
「なんかもう生きてることが全部」
「ええー……」

「かなしいときー」
「かなしいときー」
「なんでお前とこんなことやってるんだろうなってよく思う」
「その点に関してはお前も俺も大差ない」

「かなしいときー」
「かなしいときー」
「人知れず人生そのものに対して危機感だとか焦燥感だとかを募らせてけれどそれをどうしたらいいのかもわからなくて、おもむろに深夜のコンビニエンスストアへ足を運び雑誌など立ち読みしてみるけれど気を紛らすこともかなわなくて、結局大して好きでもないのに惰性で飲み続けているだけのような炭酸飲料のペットボトルを買って部屋に帰るけれど、少し度が合わなくなった眼鏡やポケットから取り出されることに抵抗するマンションの鍵や郵便受けに無造作に突っ込まれたピンクチラシや時間を選ばず配信されるスパムメールの類いが自分に対する風当たりを暗に表現しているようで、しかし実際その程度の、少し気分を害する程度で全てが穏便に運ぶんだとしたら願ってもないことじゃないかと自分自身を嘲笑ったそのとき、時計に目をやったら午前五時をまわっていたとき」
「単語ふたつめくらいから聞き流した」

眠いともう何もかもがどうでもいい。

Comments

かこです。はじめまして。あしあとぺたん。
  • 2004-08-21T00:28+09:00

保吉は女を後ろにしながら、我知らずにやにや笑ひ出した。女はもう「あの女」ではない。度胸の好(い)い母の一人である。一たび子の為になつたが最後、古来如何(いか)なる悪事をも犯した、恐ろしい「母」の一人である。この変化は勿論女の為にはあらゆる祝福を与へても好い。しかし娘じみた細君の代りに図々(づうづう)しい母を見出したのは、……保吉は歩みつづけたまま、茫然と家々の空を見上げた。空には南風(みなみかぜ)の渡る中に円(まる)い春の月が一つ、白じろとかすかにかかつてゐる。……


・・・・眠い。

イソムラ
  • 2004-08-21T03:16+09:00

芥川は人生において物凄くウェイトを占めるべき存在であるといつでも言えると心に秘めてきたような雰囲気ではありますが、正直あのタイトルはもうちょっと何とかならなかったものかなと思ったりもします。文豪の頭の中を凡人が測ろうなどとはあまりに馬鹿げたことであるし身の程知らずこの上ないのですが。

ところでなぜ芥川なのでしょうか。とかね。

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