Archive

エンターテイメント

どういう人なのか全然知らなかったのだけれど、破天荒なことだとか前代未聞であることだとか暗黙の了解を敢えて破ろうとすることが素晴らしいことだなどということがあるはずもなく。

エンタの神様 は比較的新しい芸人や埋もれがちな芸人にスポットを当てていて(もちろんそれは純粋な若手救済だとかではなくて、ギャラや話題性も考慮した上でのビジネスなのだろうけれど)、方向性がヒットしたためかパペットマペット、青木さやか、長井秀和、だいたひかるその他多くの出世頭を生み出したことも確かなのだけれど、そろそろある程度芸人を選ぶようなこともした方が良いのではないかと思う。

というか、最低限テレビでやっていいこととやってはいけないこともわきまえていない人間をカメラの前に立たせることが面白いことにつながる、なんてあまりにリスキーな発想だと思うのですが。

7/11 23:49 追記
加納さん から語られてゐる背景を知らないので何がなんだかわからないとの指摘を受けた(というか読み返してみれば明白なんですが)ので、ちょっと追記。

カンニングというお笑いコンビがテレビ的にマズイ発言や行動連発して舞台下ろされた、というのが事の顛末で、それが仕込みだ仕込みでないもう出すなまた出せで賛否両論であるようで。

エンタの神様は生放送ではないので当然事前に編集が入るため、本当にこれが収録上予想していなかった事故ならカットされてカンニングは干される、というのが通常の対応だと思うのだけれど、そうしなかったということはこれが出来レースであるか、見せしめであるか、番組に手持ちの駒がなくて時間の都合上放送せざるを得なかったか、といくつかの選択肢が浮かんでくるかと。いくつかは本当に物凄く可能性が低いけれど。

例えこれがカンニングが意図して作り上げた舞台上の脚本であり番組側が全く予想しなかった事故だとして、それを編集なく放送してしまったことは番組制作者の視聴者に対するサービスの怠慢であり、とにかく暴言を吐くことで強く印象を与える手段を選んだカンニングに対して「それはテレビ的に良くないことだよ」と教育的指導することも放棄していると考えられるわけで。実際彼らの漫談(?)は何一つ面白くなかったし、それどころか舞台から引きずり下ろされるまでずっと不快感を与え続けるようなものだった。観客引いてたし。というか相方(中島忠幸)も引いてたように見えた。

逆にこれが番組制作者が作成した台本通りに進行したことだとしたら、それこそエンタの神様製作者側が批判されるべきことであるように思える。視聴者に対して不快感を与えたことはもちろん、カンニングという芸人がろくでもないことしかできないやつらだという印象を与えたとも言えるからで、話題作りかあるいはインパクトで勝負しようとしたためにカンニングがお茶の間から姿を消える可能性を生み出してしまったとも言える(実際今回のあれやこれやが PTA から文句言われるようなことになったら、カンニングはしばらくテレビには出れないだろうと思う。もともとあまり出てないけど)。これも芸人的にはオイシイんだとしたらまぁいいか、ってことになりかねないけれども。

既存の方法を破壊してそこに新しい境地を見出すこと、それ自体は今までエンタの神様がやってきたことであるし、実際に既存の枠では捉えられなかったであろう芸人らの台頭に一役買いお笑いブームを支えているとも言える。長井秀和やだいたひかる、青木さやかなど一人で毒舌振り撒くなんてのも今ちょっとしたブームになっているわけだし。
ただそこには「方法」に含まれないもっと大きな前提があるわけで、視聴者あるいはスタジオを訪れた観客を笑わせるために舞台に立っている芸人が、その対象者を不快にさせるようなことはプロとして恥ずべきことであるし(芸人側にとっても、製作者側にとっても)、生放送でないならばあの数分は編集して放送せずにいたこともできたはずであって、アバンギャルドなことをするにしても最低限の保証が必要であるのではないだろうか、と思うわけで。インパクトだけで勝負するようなことをしないために芸人を選ぶ必要がある、と。最低限の資質を兼ね備えたという意味で。

波多陽区は売れたけれど木魚叩く某氏はすぐに消えた、ということがただ運が良かった悪かっただけで済むことではないのだろうなぁ、とか。

7/12 0:15 追記
エンタの神様のリンク先間違えてた。

0:17 追記
まだわかりにくいな。エンタの神様の掲示板 でも伏字使われてるし。

カンニングが引きずり下ろされた直接の原因となった(と思われる)行動・発言ってのは、まぁ要するに舞台上で排泄するよとか言い出したわけで。

「お前らゴールデンだから絶対やらないと思ってるだろ!今からここでウンコしてやる!絶対面白いから!見てろよ!(ズボン下ろす)」
「(相方、半分くらいしか写らない)やめろって、脱ぐなって。きばるなって」
「見てろって、絶対面白いから!絶対面白いって!(尻を出してしゃがみ込む)」
「(観客)えー……(明らかに戸惑ってる様子)」
「なんだよ、邪魔するなよ!なんだよそのカンペ!」

カンペ持ったスタッフ二人~三人に両脇を抱えられながら舞台袖へ。司会者アップ。物凄く複雑な表情(CM 明けにも一瞬そんな表情)。

面白いかこれ?

14:13 追記

Other Voices -Poesia

この明白は、指摘の内容が明白なのか、それとも、あとのですがの逆接をふまへて、元のイソムラさんの文章が明白で私の指摘が駄目だといふことなのか、どちらともとれるのです。

暗黙の了解が了解足りえてゐない文章をお書きになつてゐるという点が明白である、という意味でした。端折り過ぎてスミマセン。

カンニングの芸に対して必要以上に憤りを感じたのは、恐らく彼らの元の芸風自体があまり好きではないタイプのものであるだろうということ(今回の件以前に見たことはないので、彼らの芸風がどんなものであるかというのは想像の域を出ませんが)に加えて「お前らゴールデンだから絶対やらないと思ってるだろ!今からここでウンコしてやる!」に対する「そりゃもう芸じゃないだろ」という感情がごちゃごちゃになったんだろうなぁ、と振り返ってみる。

「ひたすら○○をし続ける」というのはある種確立された芸風のひとつであって、例えば笑い飯が区切りなくとにかくボケ続けるというのもそれを踏襲したものであるのだろうけれど(インタビューにも真面目に答えないで叱られるとか)、「ひたすら罵倒し続ける」というのはその中でも一番芸のないことではないかなぁと常々思っていたところであり、特に素人だとか舞台に上がっていない人間に対してとにかく罵倒するというのはワイドショーのコメンテーターがやるようなことであって、じゃワイドショーは面白いのか?というとこれは別の話になるのだけれど、というのは芸人が舞台でそれをやるときには何らかの風刺やユーモアが明確な目的をもって加えられるからであって。

相変わらず悪文だなぁとか言葉足らずだなぁとか。長くなったのでまたそのうちどこかにまとめておきます。歯切れも悪い。

Comments

  • 2004-09-01T15:44+09:00

はぁ・・・。

  • 2004-09-01T15:59+09:00

多分、カンニングのツッコミ役の中島さんはすっごい苦労していると思う・・・。あまりにもボケ役の竹山さんの行動に自分もきっと驚きを隠せなかったのだと思う。だから最近は「ねぇねぇカンニングって面白い?」「ぜーんぜん!やばいよ、あれ。」などなどのことをうちのクラスでもよく聞いている・・・。多分・・・あれはカンニングがやばいんじゃなくて竹山さんがやばいんじゃないの?と思う時もある。竹山さんがやったのに竹山さんのことだけではなくカンニング自体の二人の事を話し合っている事になっている・・・。竹山さんは少し考えた方がいいと思う。テレビではやってはいけないこと。テレビではやってもいいなと思う事。この二つを考えれば少しは正統派の漫才もできるんじゃないかなと。私はそんなカンニングの漫才を一日でも早く見てみたいと思います。・・・・・それから今までの話とはぜんっっっぜん関係ないんですが中島さんの浴衣姿がとても似合うと思う(そこんところ認めてる。)。

イソムラ
  • 2004-09-01T20:42+09:00

まあお笑いコンビは二人で一つの評価をいただくのが通常であって(やるせなすの片方が霊感強いとかでキャラが立っている、というのは別問題で)、そこのところ上手く噛み合わないとか、相方が何を考えているかわからない・何をしでかすかわからないなんて状態になったらそれこそコンビとして終わりなのかも知れません。

カンニングと根本はるみが旅行ロケに行った番組を見ましたが、そこでは普通の芸人で(根元はるみに押され気味だったり)割と好印象でした。

Trackback