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月曜日と電車と臭いと外国人

実家から下宿に戻る電車の中で絶望的なほどの睡眠不足を解消するべく、居眠りという時間を有効に使う現代人ならではの活動に勤しんでいたりしたのだけれど、二人がけの座席の隣に(多分)東南アジア系の顔付きの女性が座ったことがいろんな呪いの言葉を頭に浮かべるきっかけとなった。

どうやら向かいの二人がけ座席に連れ合いの女性(こちらも東南アジア系の顔付き)がいるらしく、全然どこの言語とも想像がつかない言葉をかなりの大声でやりとりしていたものだから、眠るとかそういう希望は全部投げ捨てなきゃならなくなった。
別にうるさいだけの車内だったら寝ようと思えば寝られるはずだけれど(実際今までそういう経験は数限りなくあるし)、すぐ真横で大声で何しゃべってるかわからない、ってのは意外にこたえる。身振りも大きいらしくて、ときどき肩を叩かれる。悪意があってするのではないだろうけれど。いやそれより多分一番頭にきていたのは、彼女(ら)が電車に乗り込んで二人座れるスペースがないと気付くやこちらに「ちょっと向こう行けよ」的な視線を投げかけてきたことだろう。席くらい変わっても問題はないし、そうすれば全部丸く収まるならそうするべきかも知れなかったのだが、正直眠くてどうでも良かったし何か癪に障ったので狸寝入りした。
あと、何かとてつもなく強烈な臭いがしてそれに対しても物凄く怒りっぽいようなそういうニュアンスの感情を抱いたりした感じもしないとは言えない雲行きであるとみられている。以前下宿近くのシンガポール料理屋に行ったことがあるのだけれど、そこで食べた香辛料をふんだんに使った鶏肉料理にも似た臭い。ぎらぎら脂ぎった見てくれが頭に浮かぶ臭い。冴えない企業戦士サラリーマンが週末の接待で場末のアジアンパブに行き、隣に座った少し年増の警察官が居合わせたなら職務質問の手技によってビザに関する秘密を暴かれかねない様相の女性が片言で「シャチョーサン、タベテ」などと合いの手を入れるようなそんな情景を思い浮かべるような、それくらい強烈な臭い。実際そこまで強烈でもないしそんな光景は一度も目にしたことはないから、これは今文章を書いていて思いつくままに空想力を行使した結果であることは火を見るより明らかではあるけれど。

ただあれは、間違いなく週始めの朝一番の電車で鼻をつく臭いとして不適切であったということは理解してもらえると思うし、そのような場面に遭遇してしまったなら憤りを感じて当然であるとも思う。まさしく、その状況に置かれている。

つまり、居眠りを邪魔されて眠い。

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