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B.J. よろしく

たまに参考にしてるわけですが、普通に読み物としても面白く読めるかと。

はじめに

医師の世界は、どこの科にいっても原則として徒弟制です。徒弟制という制度は、うまく機能すれば、生産性を落とさずに後進を育成できる、すばらしい制度です。ところがこの制度は、必要な知識を出し惜しみすることで、労せずして上下関係を保つことが出来る、実力のない上級生が安住できる制度にもなりえます。

かつて、刀に焼きを入れる水の温度を知ろうとした弟子の手首を、師匠の刀工が切り落とした、という話があります。これなどは、徒弟制に安住しようとした、卑怯な老人の話を美化したものに過ぎません。

他にもこんな感じで。

この文書について

我々の学年の上級医は、どちらかというと、”教わるより、盗め”といった考えの人が大勢でした。
自分たちが研修医であった頃は、こうした考え方が大嫌いでした。ふと疑問に思ったことを上級医に聞いても、 ”自分で調べてみた?””人に聞く前に、教科書読んだ?”などと切り返されてしまい、すぐに教えてくれればいいのに、なんと効率の悪いことかと当時は思っていました。

研修医は、各上級レジデントの下を、ローテーションします。研修医どうしでお互いに情報交換していく中で、なぜか、その上級レジデントと相性のいいレジデントだけは、同じ質問でも答えを教えてもらっている事がわかったり、何人も研修医が交代で回っている中で、ある上級レジデントが発する質問(研修医いじめのツボ)が、いつも同じであったことが分かったりする中で、”どうせ同じ事を教えるなら、前もって答えをプリントして配ればいいじゃないか” と考えるようになりました。

研修医と指導医の確執、みたいな話はよく聞くけど(「ブラックジャックによろしく」でも似たような話あるのでは。読んだことないけど)、研修医一年目と研修医二年目でも上下関係しっかり作られてるっていうのは恐ろしい縦割り社会だなぁと思ったり。「徒弟制に安住しようとした、卑怯な老人の話」というのも嫌な重圧を伴ってリアリティを持ってしまう。

単純に性別の差か大多数の気質の差かはともかく、(うちの病院では)看護師がこういう振る舞いをする、というのは あまり 聞いたことがない。学生同士ぐだぐだ文句言い合ってれば優秀な指導者もくだらない愚痴しか言わない指導者も同レベルに語られることはよくある話なので、実際どうか、なんて簡単に言い切れはしないけれど。

そういえばナースステーションに研修医向けのフリーペーパーみたいなものが置いてあって、「いかにうまく研修期間を指導医と仲良くやっていくか」みたいな特集が組まれてた。内容は「電話をかけるときは『今お時間よろしいですか?』『夜分すみません』を最初に言う」とかやたらレベルの低いことも普通に書いてあってちょっとアレな気分になった。

全然関係ないけど、TeX って何か凄いなぁ。とこのページを見てて思った。

Comments

medtoolz
  • 2004-02-22T17:09+09:00

好意的な紹介を有り難うございます。

いつも、引用されているのは違った部分が多かったので‥。

自分の文章は全てTeXで書いていますが、これは単に私が
HTMLが書けないから、という理由です。
慣れれば、LaTeXは非常に便利なものだと思うのですが。

黒色(仮)
  • 2004-02-22T17:48+09:00

なかなか編集するのにも大変な膨大な資料かと思います、参考にさせていただいてとても助かっています。こういった試みもなかなか難しいかとは思いますが、地道な努力がいつか大きく成就すると思います。頑張ってください。

TeX は構造的な文書にはうってつけのようですね。慣れた人が見ると一目瞭然で(見出し要素なんかも適切であるので)興味をそそられました。一度試してみることにします。

わざわざコメントありがとうございました。

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