上京物語
九月九日から十二日までの間、東京へ遊びに行きました。
2005-09-09 Sun.
九月九日午前七時の高速バスで名古屋発。実はこの時点で前日の夜行列車やら何やらに乗れなかった(ていうか予約とか全くしていなかった)というダメストーリーがあるのだけれど、というかこの時点で何やらネタくさい旅行になりかけていたかも知れないと今振り返ってみれば思うのだけれど、ともかく午前の便で名古屋を出て昼過ぎ頃に東京新宿駅周辺に到着。所要時間六時間。お値段は五千円とちょっと。わーお安い。わーお得。タイム・イズ・マネー。
賢明な方であれば瞬時に見抜きかつ侮蔑しかつ嘲笑するのであろうけれど、僕は予約だとか計画だとかいう類の物事がとてもとても苦手で、というか超苦手で、できることであれば一生のうちに関わる回数を極力少なくしていきたいのだけれど、生きたいのだけれど、そうなると他人に迷惑がかかるというのは必然であって、要するにアドバイザー兼ツーリストの友人におんぶかつ抱っこであり、しかも給料はなしという超絶不遇にてこき使ったのであるけれど、というか本当に一ヶ月振りの文章はままならぬというか更新頻度の問題で毎度のことであるけれど、そういう感じで地元人に頼りまくり依存しまくりお任せしまくる旅路であり、昼食を食べてすぐ 大丸ミュージアム の 巨匠デ・キリコ展 へ顔を出してみた。ブロンズ像すげーとか思いつつ、途中からどうしても「この巨匠は笑いの巨匠に違いない」という観念を拭うことができず、シュールかつアイロニックな登場人物(スーツ)の心情たるやいかなるものかむべなるかな、などと思ったり思わなかったりした。あとその造形は間違いなくゆでたまご氏も参考にしていることと思う。各自確認されたし。
その後隠れ家的な飲み屋などへ足を運び、麦焼酎や芋焼酎などいただき、その後はややあやふやであるのだけれど、多分漫画とかをたくさん読みました。かしこ。
2005-09-10 Mon.
驚異の睡眠時間を確保し、午後四時頃まで寝ていました。ろくなことをしていません。前日に引き続き食べたり飲んだりなどしていたと思います。あとはよく思い出せません。ヴィレッジヴァンガード の ダイナー(阿佐ヶ谷) へ行った。
2005-09-11 Tue.
実は今回の旅行のメインイベントたる(唯一の)計画であった 目黒寄生中館 へ足を運ぶも、祝祭日の月曜日は開館
ということを全く知らず、さらにその翌日の火曜日は休館であることなどどこにもインフォメーションはなく、現状、間違いなく休館していた。はらわたが煮えくり返る(自分に対して)思いを抑えつつ、駅へ向かいとぼとぼと歩いていると、目黒区美術館 で チャールズ & レイ・イームズ展 がやっているよと。休館だよと。とぼとぼと歩き続ける。
夕飯を食べて名古屋へ帰ろうかと考えていたけれど、下北沢のヴィレッジヴァンガードにも寄ってみたいなどという欲が出てきたためもう一泊。お茶の水で楽器とか見て「グレッチが七万円かー」とかいう。
2005-09-12 Wed.
前日のリベンジのごとく目黒寄生虫館へ。唯一の従業員は何だか文系の美人みたいな人で、せっせとディスプレイや寄生虫の入ったケースを磨いていた。美人 + 寄生虫 + 平日の昼間、これほどギャップを生み出すカオスな異空間は日本に数えるほどしか存在していないと僕はここに断言する。そしてこれは認知度を広げたのちに萌えなるものへと昇華するのであり、ていうか寄生虫とかニーズなさそうだから商売にはならないと思った。あと他の客が日本人じゃない幼稚園児らの遠足っぽいのと、おじいちゃんおばあちゃんしかいなかった。後日「目黒区の小学生は遠足に寄生虫館に行くの?」などと聞かれ、物凄くどうでも良かったのでそれをオブラートに包んで「さあわからないですねー」とか返したら「リサーチ不足だろうがこん畜生め」と(集団で)不当に罵られたので、識者よりの情報をお待ちしております。あとイームズは面倒くさくなったのでやめた。
キーボードとかブックカバーとか饅頭とかほとんどしょうもないものを携えつつ、午後四時の高速バスで名古屋に向けて出発。午後十時頃着。恵那で降りた女の子が可愛かったことと、運転手に「恵那で降りるんですけど(迎えの人に)どう言ったら(場所が)伝わりますか?」とかいうことを聞いていて、根本的下調べ不足の僕が言えたことではないけれど、そこらへんは柔軟なコミュニケーションで迎えの人に伝えろよと思ったけど可愛かったし運転手も快く応じていたので良かったと思った。下心は偉大だと思った。
別に急いでいるわけでは全くないのに走って書きました。どこかで秋葉原に行ったはずなのだけれど思い出せない。思い出というのは、そういうものなのである。オチがないとかそういうことを気にしてはいけない。