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ハンニバル

公開当時、映画に誘われて出向いて行ったら場末のバー以上に寂れた映画館に連れて行かれて、自分と連れとあとどこかの女子大生くらいの人と三人でシアターを占拠した、という思い出がありありとまざまざと脳裏に蘇ったりなんかしたりする丑三つ時。

正直なところあまりこの映画は好きではなくて、羊たちの沈黙レッド・ドラゴンDVD を持っているけれど(とか言いつつレッド・ドラゴンもあまり買う気はなかった。偶々安売りしてたから買ってみた、だけ)ハンニバルだけは持っていない。ジャケットも実に購買意欲をそそらない出来であったりで、あれでもこれって羊たちの沈黙の裏ジャケのアンソニーじゃね?ちょっとスタッフ愛情持ってね?とか頭の悪そうな応酬も繰り出そうってなもんです。愛情はありそうだ。購買意欲そそらないけど。羊たちの沈黙は蛾の造形に気付くかどうかでジャケットのアレ度が大きく変化するのではないかと思います。

この映画の何が残念って、クラリスのキャスティング。ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーア。しかもジョディは パニック・ルーム に出演して「ジョディ・フォスターがハンニバルを降りても出演したかった映画」とかコピー付けられるしで(しかもパニック・ルームがまた面白くない映画で……)。おかげ様で本作品はハンニバル・レクターショウないしアンソニー・ホプキンスショウとなっております。メイスンがゲイリー・オールドマンだとかいう面白いキャスティングはもっと前面に押し出すべきだと思った。ていうか顔わからないと思ったけどそういうキャラだから成功かと思った。

あと原作の小説とエンディングが全然違っていて、まぁでもこれは時計じかけのオレンジでもシャイニングでもそんなもんだろうから気にしないことにした。不幸だったのは、映画公開前に原作を期待たっぷりに読んで後悔して、映画でもう一度後悔する二段落ちだったということだ。落ち?ともかくそういった思い出。

映画そのものに関してはどうということもないほど実に普通ですよ、としか言えないのでは。羊たちの沈黙から十年でこれか、というのもなきにしもあらずといった様相を呈しているとも言えるわけだけれど、別に羊たちの沈黙はリアルタイム鑑賞しているわけではないし、そもそも当時九歳であって小学校三年生であってそんな年齢であの映画を鑑賞するのはどうかと思わないでもないけれど、小学校入ったくらいの頃から親の趣味で十三日の金曜日とか観てたから別にどうということでもないかと思った。もうちょっとマシな映画を撮れてたんじゃないか、と思うわけですよ。

Comments

ハンニバルのクラリスはほんと、羊たちの沈黙とイメージが合わなすぎてなんだかなあって思いながら見てました。
あとなんだろう、脳みそ食うところが意外とあっさりしててなんとなく気に入らなかったんだけど実際あんなものなのかなって。蛇の蒲焼とか蛙のから揚げとか、虫の佃煮食っている人を見るような感覚だったんだけど。
羊たちの沈黙でのサイコっぽい要素とかなんとなく足りないかんじするんだけど、しないか。
羊たちもの沈黙もそのへんはちょっと物足りない気もしなくはなかったけども。
ハンニバルTUEEEって印象だけがやたら強い。

イソムラ

多分ジョディ・フォスターで脳内変換しながら原作「ハンニバル」を読んでいたことも少なからず影響していると思われるのだけれども、ていうかジュリアン・ムーアはちょっと顔の掘りが平坦すぎて全然のめりこめないよねというか。
脳をソテーにするシーンでは確か本人に食べさせるシーンが原作の小説にはあったけれど、(劇場でどうだったかは忘れたけど)地上波放送のときには大幅にカットされていましたというか多分そのシーンまるごとカット。やるせない。昭和年代の猿の脳を活け造りにする写真を見たことがあるけれど、割と上流階級の人が楽しんでる雰囲気でした。レクターが好んだ?っていうことは、それなりに高級食材なんじゃないですかね。

あとレクターは原作小説だともっとTUEEE人です。拷問のシーンで脳内の宮廷に逃避するシーンとか。こいつは多分本当に頭切り離されるまで負けないな、と思いました。

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Last modified : 2006-05-12T18:57:37+09:00