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マレフィク

サブタイトル(呪われた監獄)が B 級過ぎるというのはさておき。

DVD のパッケージ裏にキューブだのエスだのと一部の映画好きが飛びつきそうなタイトルが並べられていて、「ははあこれはそういった商業戦略だなよしひとつ釣られてやるか」と自分に言い訳をしつつ釣られてしまった。

異色サスペンス『CUBE』を彷彿とさせる、牢獄を舞台にした密室ホラー。ある古い牢獄に収監された4人の囚人。彼らはそこの壁から魔術の呪文のようなものが書かれた日記帳を発見する。呪文を解読し、魔術で脱出を試みる彼らに、次第に恐怖が襲い掛かる。

で、観てみた。フランス産だとは知らずに。

方法論が確立するとワンアンドオンリーになりがちなアメリカンとは土壌が違うのか、最初は囚人のモキュメンタリーでも作るのか、なんて雰囲気の映画だった(冒頭から耐性のない人にはキツそうなシーンもあるけど)。音響も控え目に山場なく淡々と進み、監獄でありながらそこはかとなくしゃれっ気が漂う辺りがフランスなのかな、とか。というのは、最初の(キツいシーンを除く)数分で崩れたのだけれど。

この映画を作った人間は、多分頭がおかしい。いい意味で。登場人物はどれもこれも異常だし、時間の経過が主人公の髭の伸び具合ぐらいでしかわからない状況で、何がおかしいか突っ込む感覚も麻痺したままで非日常に状態遷移するものだから、観終わって数十分以上経過した今もどう突っ込んだらいいのかわからない。狙ってこういう映画を作ったんだとしたら、頭がおかしい。「異常な映画だった」としか思えない。

そういう視点をやめれ、と言われたら、「ああまあ普通にサスペンスで部分的にエグいタイプの、まあ普通の映画ですよ」と答えるけれど。キューブやエスを越える、って映像特典のトレイラーでも言ってたけれど、越えるというより「越えるために並走しようとしたら何かよくわかんないところへ来てしまった」という映画だと思います。

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Last modified : 2006-09-20T20:57:22+09:00