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2004年11月30日

マレフィク

サブタイトル(呪われた監獄)が B 級過ぎるというのはさておき。

DVD のパッケージ裏にキューブだのエスだのと一部の映画好きが飛びつきそうなタイトルが並べられていて、「ははあこれはそういった商業戦略だなよしひとつ釣られてやるか」と自分に言い訳をしつつ釣られてしまった。

異色サスペンス『CUBE』を彷彿とさせる、牢獄を舞台にした密室ホラー。ある古い牢獄に収監された4人の囚人。彼らはそこの壁から魔術の呪文のようなものが書かれた日記帳を発見する。呪文を解読し、魔術で脱出を試みる彼らに、次第に恐怖が襲い掛かる。

で、観てみた。フランス産だとは知らずに。

方法論が確立するとワンアンドオンリーになりがちなアメリカンとは土壌が違うのか、最初は囚人のモキュメンタリーでも作るのか、なんて雰囲気の映画だった(冒頭から耐性のない人にはキツそうなシーンもあるけど)。音響も控え目に山場なく淡々と進み、監獄でありながらそこはかとなくしゃれっ気が漂う辺りがフランスなのかな、とか。というのは、最初の(キツいシーンを除く)数分で崩れたのだけれど。

この映画を作った人間は、多分頭がおかしい。いい意味で。登場人物はどれもこれも異常だし、時間の経過が主人公の髭の伸び具合ぐらいでしかわからない状況で、何がおかしいか突っ込む感覚も麻痺したままで非日常に状態遷移するものだから、観終わって数十分以上経過した今もどう突っ込んだらいいのかわからない。狙ってこういう映画を作ったんだとしたら、頭がおかしい。「異常な映画だった」としか思えない。

そういう視点をやめれ、と言われたら、「ああまあ普通にサスペンスで部分的にエグいタイプの、まあ普通の映画ですよ」と答えるけれど。キューブやエスを越える、って映像特典のトレイラーでも言ってたけれど、越えるというより「越えるために並走しようとしたら何かよくわかんないところへ来てしまった」という映画だと思います。

座頭市(日曜洋画劇場)

テレビ朝日系列 日曜洋画劇場 の特別企画にて上演されていたので観るも、いろんな部分でいろんな感想を抱くに至ったというか。

冒頭で「未成年には良くないシーンがあるので保護者は配慮してくれ」的なメッセージが流されて、そういった地上波によくあるメッセージには割と慣れていたのだけれど、シーンをカットするどころか映像を部分的に切り貼りする(部分的に拡大なんて処理もしていたかも)とは全く予想がつかず。ひどくげんなり。賭場で座頭市がサイコロ振る人(正式名称知らない)の腕を切り飛ばす場面で、確か頭上に飛ぶはずの腕(と肩の辺り)が全く写っていないとか、雨の中座頭市が複数人との殺陣を見せるシーンで、竹槍を持った男の腕を竹槍ごと割く場面が座頭市の表情アップになっているとか、クチナワの頭を切らずに視力を奪うシーンで、「一生めくらで生きろ」という台詞(うろ覚え)がカットされて締まりのない決めになっているとか。

残酷な描写や差別用語(とされるもの)を発信しないことがテレビ局としてあるべき配慮だと思っているのだろうけれど、冒頭に「保護者は配慮してくれ」と予防線を張っておいたのなら、苦情が寄せられたところで「あとは家庭での躾の問題なのでそっちでやってくれ」と突っぱねる、というわけにはいかないのだろうか。

現代特殊民話 に、「ピノキオ」について以下のような投稿がある。

私の読んだものでは「びっこのキツネとめくらのネコ」が「片足の不自由なキツネと両眼の見えないネコ」になってました。

「めくら」という言葉が「目の見えない人に対する差別用語」である、という説明はよく聞くけれど、どうして差別用語であるのかという点はほとんど聞かれない。差別が当然の社会で区別のために使われた言葉が現代に当てはめると差別に該当する、ということかと漠然と思ってはいるのだけれど、だとしたら今回の映画では「当時はこのような言い回しであった」ということで了解するわけにはいかないのだろうか。それこそ言葉狩りに発展しそうな勢いだけれど。

2004年11月29日

間に人を挟む難しさ

しつこいくらいに何度も同じ話題を繰り返すのは別にネタ切れとかそういうことではなくて、ネタがなければ沈黙するし映画でも観に行くし、だから一応自分の中では筋が通り意味のある更新内容になるのだけれど、大半の閲覧者にとっては「ああまた何かやってるのか」という程度に、あるいは「アンテナ浮上鬱陶しい」という程度にどうでも良いことになるのかなぁと自分を卑下するこのテンションはデスマーチ脱出の反動ですよ、と。

結局友人経由(というか面倒な手間を押し付けて)で Amazon で購入することにした のだけれど、実はというか、古本屋をうろうろしていたら文庫本を見つけてしまった……。まぁ彼によろしくお願いして購入することにしたのは 新潮文庫の中原中也詩集 であって、今回見つけたのは 集英社文庫の中原中也詩集 であるから、カバーしている領域が若干違って良かった良かったとかそういう感じではあるのだけれど(ちなみに 青空文庫 で底本とされているのは 岩波文庫の中原中也詩集)。

で、ここからが本題になるのだけれど、集英社文庫の詩集と岩波文庫を底本として入力されたファイルを見比べると違う違う。ルビ振りの有無は底本の違いによる可能性があるとして(そもそもこれもちょっとどうかと思うけど)、明らかに人を挟むことによる弊害がごっそりと。例えば YAGINOUTA では「考へ」であるべきところが「考え」であったり、「ゐ」であるべきところが「い」であったりで。底本では恐らく正しい用法であったのだろうけれど、日常用いない用法の入力をしていればどこかでミスは生まれやすくなるわけで。いくらネットで名作が読める時代とはいえ、可能であれば底本を入手して読む方がベターだなぁという。

岩波文庫の底本入手したら一から作り直してみることを検討するだとか。

そんなこんなで集英社文庫の未刊詩篇を追加。

別離曇つた秋 が好き。

2004年11月28日

Strict と論文とデスマーチ回避

年末進行における デスマーチ の回避がそこはかとなく成功したかのような雰囲気であって、どうやらこのまま問題なく経過していけばモラトリアムを今年度で無事終了できる運びとなりそうだというか。元々大学入った時点で潰しのききにくい進路選択だったりするので、本来の意味でのモラトリアムなんてあってなかったようなものではあるけれど。とりあえず、卒業論文を書き終えました。

Strict な HTML を書こうと心掛ける習慣があって良かったと思うことが何度もあって、それは偏に文書構造の整理という点に尽きるのだけれど、とにかくこれは趣味が実益となった(自分の中での)数少ない例であったりするので心躍る状況であったりだとか。ウェブサイトを持っている大学生は Strict なマークアップとか文書構造に思いを馳せてみると卒業論文のときに役に立つかも知れないよ、という経験則からのメッセージを残す次第であり。

あと利点とは言い切れないけれど、WYSIWYG なソフトウェアでもって論文作成中に「この表 float させたい」とか「text-indent 増やすとどうだ」とか、CSS のプロパティが整形時に頭に浮かんできたりですっかりと CSS 脳となっているなぁとしみじみ思ったりなんかして、というかこれは「利点とは言い切れない」とかそういう「ポジティブシンキングするにはちょっと材料が足りない」レベルのことではないかなぁと思ったりもした。

整形に関しては WYSIWYG より CSS 手書きの方が早そうだということは揺らぎない事実だったりするけれど。実際に整形する時間より使い方覚える時間の方が長いというのもほぼ確実な。

2004年11月20日

テンプレート改案(恒久的な URI の確保)

以前の テンプレート公開 はそれなりの出来でそこはかとなく人様の役に立てたような立てている夢を見ているようなそんな感じで記憶の彼方へ押しやられるといった運命線上にあったわけだけれども、PHP に乗り換えるよとかそういうことを 言っていた 割には拡張子が思い切り .html であったりで、実際乗り換えたときに(ていうか本当に乗り換えるのか?乗り換えないのか?という点に関しては何をおいても予定は未定、というか)多々障害発生何とかクライシス的状況を今からまざまざと見せ付けられる思いであるようなそんな雰囲気だったりした。

じゃあどうしたらいいかっていう話になると、要は拡張子を付けずにアンカーを貼ればいいのだけれど、MSXMLファックな仕様のおかげでいろいろと面倒なことになっていたりもしたわけで。具体的に言及すると、MT アーカイブ名の設定で拡張子なく保存するようにすると text/xml 扱いになって IE は MSXML の仕様のおかげで閲覧ができなくなる、という(どこかに書いたつもりだったけど見当たらなかった)。で、真琴さん津田さん はどういうテンプレートなんだろうなぁなどとぼんやり眺めつつも思考停止して適当にやっていたわけですが、ちょっと調べ物をしに Movable Typer(造語)(ジュンさん も使ってました)の集まる場所 を訪れてみたら、どうやらそれっぽい書き込みが。

433 名前:428 ◆hxxk2ARI6A 投稿日:04/11/11 23:01:57 ID:/22KPxy+
>>432
エントリの命名規則やアーカイブの場所によって多少変わりますが、
<$MTEntryPermalink$> を使わなければ実現できます。

例えば、私のサイトだと実際の拡張子は .php で、 URI は
http://****/mt/yyyy/mm/dd/HHMM という風にしています。
( Options +MultiViews を指定しているのを前提とします。 )
そして、テンプレートでは
<$MTBlogArchiveURL$> <$MTArchiveDate format="%Y/%m/%d/%H%M"$>
といったアンカーの張り方をしています。

# 時間があったら自分とこのエントリにもう少し詳しくまとめてみます…。

ん……?これは真琴さんご本人ですか。

というわけで、めでたく拡張子ナシでのテンプレが書けました。

変更は大した作業量ではなくて、<$MTEntryPermalink$><$MTBlogURL$><$MTArchiveDate format="%Y/%m/%d%H%M"$> に置き換えたり、<$MTCategoryArchiveLink$><$MTBlogURL$><$MTCategoryLabel$> に置き換えたりしています。アーカイブファイルの命名規則によってここら辺をいじくり回せば適度に柔軟に対応できるんじゃないかとか。それにしてもこれはコロンブスのアレ的な発想というか、言われてみれば「なるほど」だけれども自分では思い付きそうになかったというか。柔軟だなぁ。

組み込みと再構築は面倒なので後日(全然ダメっぽい)。

そんなわけでめでたく再構築を終えましたよ、というお知らせ。しばらくは不具合がないかどうか目を皿のようにしてチェックしたりなんかして。しないけどね。しません。

link 要素の中身をすっかり忘れてたりした。

RSS も修正しないとアレか。くっそう。

AtomRSS 1.0RSS 2.0 を修正。

2004年11月17日

ラーメン哲人館へ行ったよ

イオン熱田ショッピングセンター の目玉的スポットとしてうら若き婦女子にも黄色い歓声を浴びるとのことで有名(ここまで今思い付いた)な ラーメン哲人館 へ行ってきた。というのは先週の土曜日の話であるから、既に日付的には四日くらい前の話であってだいぶ記憶も薄れてはいるのだけれど、複数のラーメン店が軒を連ねるラーメン街的スポットのことであるから、次回行った際についうっかり同じ店舗に足を踏み入れないとも限らない。となると六店舗全完食に無駄に時間がかかるのでよろしくない。別に完食する必要は全くもってないのだけれど。まぁそんなこんなでメモしておくということですよ。

ラーメン哲人館に一歩足を踏み入れると、夕飯前の時間帯だったりで各店舗の店員が呼び込みをしている。店先にメニューが並んでいて、それをじっくり眺め吟味していると声をかけられる。正直声をかけられて「向こう行きます」とか言うのは心苦しいので一通り回ってみる。店員の興味が他の客へ向けられた時点で(物凄いやましいことをしている文章みたいだけれどそうでもない)、京都の老舗だという 新福菜館 へ向かう。

チャーシューで麺が見えない。というか、スープで麺が見えない。蓮華にスープをすくったら、蓮華の底が見えない。スープ、濃すぎ。やたらクセの強いスープ。麺はちょっと太めでスパゲティを連想させるようなアレ。そこに絡むというか染み込んでる物凄い濃いスープ。もちもちチャーシュー。そこに染み込むかなり濃いスープ。スープ。とにかくスープ。スープスープ。ハハハハハ。

とにかくスープが濃いので麺を完食したらもう飲み干そうとか思わない。アンケート用紙の裏に ハミデント眠都 を記憶スケッチして帰った。胃の辺りを押さえながら。

2004年11月12日

Sleipnir から Firefox への乗り換え

Internet Explorer から乗り換えるいくつかの理由 の追記でも触れているけれど、Sleipnir という IE コンポーネントタブブラウザから Firefox への乗り換えを案内してみた。ので、その会話ログを適当に編集して晒すことで迷っている人の指針になれば幸いというか。長いよ。

メニューなど日本語の表記が異なる部分があるかも知れません。

メリット
  • IE コンポは危ういかも知れない
  • 機能的な拡張が可能(好きな機能自分でとってつける的な感覚)
  • テーマ変更して見栄え変えたりとか
導入
インストーラから標準インストール(カスタムを選択しない)。設定のインポートは後から「プロファイルの移行」で可能なので、とりあえずしないでおく。デフォルトで明朝体なのが気持ち悪ければ「ツール → オプション → 全般 → フォントと色」から Proportional Font を Sans Serif に変更。デフォルトブラウザにするには「ツール → オプション → 全般 → 既定のブラウザ」で「今すぐ確認」する(Sleipnir の設定でデフォルトブラウザになっていたらそれを外す)。
タブブラウザ拡張
outsider reflex から タブブラウザ拡張 をダウンロードする。直接インストールするよりはローカルに保存して D & D でインストールした方が良いかも知れない(Download Tabbrowser Extensions を右クリック、リンク先を名前をつけて保存)。
設定
「通常設定」「ライト設定」の選択では「通常設定」を選択。以降「ツール → 拡張機能」から Tabbrowser Extensions の設定項目を開いた後の話(ダブルクリックするか、選択した後に「設定」ボタン)。
全般
  • 常にウィンドウを一つだけ開く(シングルウィンドウモード)
  • 表示領域が狭くなっても常にタブを表示する(詳細 → タブを空にする)
全般 → 新しいタブ
  • ブランクページ
  • 右端
全般 → タブを閉じる
  • 直前に選択していたタブに移る
  • 「"タブを閉じる"の操作」はチェックしない
全般 → ウィンドウを閉じる
  • 確認なしでウィンドウを閉じる
タブの利用
  • バックグラウンドのままで読み込む
  • ウィンドウをアクティブにしないで読み込む
タブの利用 → リンク
  • 通常
  • 上に従う
タブの利用 → 外部リンク
  • 新しいバックグラウンドのタブで開く
  • ブラウザウィンドウをアクティブにしないで読み込む
タブの利用 → ポップアップ
  • 新しいバックグラウンドのタブで開く
タブの利用 → ブックマーク~場所ツールバー
  • 全て新しいバックグラウンドのタブで開く、にチェック
外観 → タブ
  • クローズボタンなし
  • 表示幅ウィンドウにあわせる
外観 → タブバー
  • スクロールボタンでスクロール(自動で隠す)
  • あとはチェックしない
ジェスチャ
  • アクティブなタブを切り替える
  • タブバーのダブルクリック → 何もしない
  • タブバーの中クリックまたはCtrl → 新しいタブ
All-in-One Gestures Extension
最新版(英語) をダウンロードしてインストール。手順はタブブラウザ拡張と同じ(拡張インストールごとに Firefox 再起動)。
設定
拡張機能から All-in-One Gestures の設定を開く。Mouse Gestures: Prefs の Enable Gesture Trails のチェックを外す(マウスジェスチャの軌跡を描画しない)。設定画面上部に表示されるタブの Gestures Customization から、ジェスチャの定義を開く。Close current Tab の項目をクリック、下部の Swap Gestures を選択し、Close Document をクリック(最後のタブを閉じたときにウィンドウを閉じない)。Close current Tab の Gesture に Down-Right と表示されたら設定完了。使いたくないジェスチャは緑のチェックマークをクリックし不使用に設定できる(赤の×マークになる)。
BX
BX - ブックマークの動作をちょっとだけ改良 から最新版をダウンロード、インストール。ブックマーク(IE でいう「お気に入り」)のフォルダを開くと、他の開いているフォルダを閉じるようになる。
ブックマーク関連
Ctrl + B でブックマーク表示。メニューバーのアイコンの上で「右クリック → カスタマイズ」、ブックマークアイコンを表示させておくと便利。ブックマークは「ブックマーク → ブックマークの管理」で Sleipnir のブックマーク管理ツールに相当するものが表示される。
設定のインポート
「ファイル → ユーザプロファイルの移行」で Microsoft Internet Explorer をインポート、必要なければ「お気に入り」以外はインポートしない、なども可能。

あとは適当に Text LinkLink Toolbar を入れればそれなりに多機能になりますよ、と。そういうわけなので Firefox どうでしょうか。

間違ってるよ、足りないよ、などあればお申し付けくださいというか。

他所様のサイトで不具合についてぐだぐだと書き殴ったので(自分のところでもぐだぐだではあるけれど)、メモがてらについでにここにも残しておこう、という。

デフォルトテーマだと複数タブを表示させた場合にアクティブなタブと非アクティブなタブで高さに差があるような表示をさせているため(物凄い不細工な説明で申し訳ないですが)、タブをひとつだけ表示させる場合とタブを複数表示させる場合(アクティブなタブと非アクティブなタブがあるとき)に数ピクセルタブバーの高さが変化するようです。タブブラウジング前提だったら常に後者に固定しておけば問題はないのでしょうけれども、デフォルトのテーマはそう想定されてはいないようです。

Aaron Spuler氏のSmokeやRainなどは比較的軽いのですが、これを試してみてはいかがでしょうか。と勧誘してみたり。

他所に書いた自分の文章を引用とは貴重な経験であると思います。

後々は。

そのうち TBE を使わずに Sleipnir 的な環境を作ろうとは思っているのだけれど有言不実行。有言でもないけれど。

Tab Mix は(言うまでもなく)素晴らしい拡張で、試しにプロファイルを作成して乗り換えを検討してみたのだけれど、TBE にあって Tab Mix にない機能がいくつかあって、それが今の僕の使い方においては結構重要なウェイトを占めているので(もちろん慣れればどうにだってできそうなこと、ではあるけれど)、現状では乗り換えは無理っぽい。

  • タブバーを中クリックで新規タブが開けない
  • 閉じたタブの履歴が使えない(Undo Close Tab は挙動不審で使い物にならず)
  • TBE ではロケーションバーからの動作をデフォルトと逆転させたような挙動に変更できるのだけれど(通常 Enter で現タブ・Alt+Enter で新規タブ → 通常 Enter で新規タブ・Alt+Enter で現タブ)、ロケーションバーから新規タブを開く設定にすると常に新規タブで開く(ロケーションバーから現在のタブで開くことができない)

使った時間が長い、ということもあるのだろうけれど、微妙に痒いところへ手が届かない状態なので乗り換えたくはないような状況。起動は確かに早いのだけれど。プロファイル残してあるのでたまには使うかも。

Nightly を試すついでに拡張も一通りアレしてみたのでメモ。

これだけ入れれば、後は本体の設定で多分 TBE と同程度のことができますよ、と(ロケーションバーやら検索から新規タブとか Alt 押下で動作内容変更とかは未解決)。履歴やセッションを保存すると起動に時間がかかるようになったりするような雰囲気であると言えなくもないのでそのへんは割愛で。使ってないし。

ん、browser.block.target_new_window が効かないな……確かに新規ウィンドウでは開かないけど。タブが。タブが。

2004年11月11日

デスマーチが聴こえるよ

学生生活の締め括り的な雰囲気の年末進行(終末進行)であるかのような様相を呈し始めたここ数ヶ月というかここ数週間の身の上でありますが、これから数ヶ月の間に(少なくとも)今後数年間の方針を決定付けるようなイベントが目白押し、毎日に退屈する現代っ子・インターネット世代であるところの意志薄弱青年(自己決定意志が弱め、二十四時間以上ネットワークから離れていると不安になる、その実大した繋がりはない、確定的なリソースがないと不安、他)にとっては刺激的過ぎてここは逃避のひとつでもかましてみようというようなものです。

2004-11-30
卒業論文、卒業論文抄録集原稿、F 大学病院履歴書・願書受け付け締め切り
2004-12-10
F 大学病院採用試験(国家試験過去問題より)
2004-12-11
卒業論文発表会

というような感じの体調崩壊必須なスケジュールのために努力をするべきであったりするのですが、如何せん目前に迫らないと頑張れないタイプ(試験勉強は一夜漬け)であるためかなり切羽詰った進行が予測されるわけで、それがわかっているのであれば今から努力しろよというのは無理な話であって、マイペースでぼちぼちやりますよ的な何かそういうアレであるのだと思います。

というこの文章は、卒業論文の骨格を組み立てようという魂胆のための下準備というか、準備に腐れた文章を書いていれば脳がちょっと危機感でもってスイッチを切り替えてくれるであろうという自分に対しても半ば他力本願的な原動力に拠るのだけれど、結局現状は多分何も変わらないのだろうなぁという。仮眠明けにふと思い付いた一文がとても卒業論文っぽかったので、それを格子に何とかやっつけようと思います。思いますよ。

2004年11月09日

Internet Explorer から乗り換えるいくつかの理由

本日未明にでも Mozilla Firefox 1.0 正式版がリリースされるよ、ということらしいですが、知り合いに Internet Explorer から乗り換える文章を書きますよなんて約束をしてしまったので、ひとつその前口上でもどうだろう、という。

Internet Explorer を「特に何も考えず」使用することがあまり良くないことだというのは数ヶ月以上前から盛んにあちこちで言われているのだけれど、多分興味を持たなかった人にとっては全然耳新しいことであると思うので軽く概要を説明。

  1. IE の脆弱性を突くワーム(コンピュータウィルス)がかなりの大規模で蔓延して特定のサイトを攻撃させようとしたり個人情報を抜きまくったりした。また URI バー(アドレスが表示されるスペース)の偽装・ページ全体の偽装によって フィッシング詐欺 が横行した。
  2. ぐだぐだな現状に米国コンピューター緊急事態対応チーム US-CERTIEが使用する技術には「重大な脆弱性」が存在するため、IEユーザーは別のウェブブラウザーに乗り換えることを強く勧めるという内容の 警告 を発表。
  3. IE 開発・配布元の Microsoft が一念発起して「三億ドルかけて セキュリティ対策施した Windows 流通させたるわい」と XP SP2 を開発、配布を開始。CERTはSP2でセキュリティ機能の強化が図られた点を高く評価したものの、既存のアプリケーションが動かない事態が頻発した模様で、企業の半数は XP SP2 で業務の支障を懸念 とのニュースも。
  4. IE の時期バージョンは次期 Windows "Longhorn" に組み込まれる予定で、今後新しいスタンドアロンのIEは出さないと発表している。また先に述べた脆弱性(セキュリティホール、アドレスバー偽装、ページ偽装)を修正した IE を利用できるのはXPユーザーだけ、Windows 98/98 SE/Me/2000 ユーザーは依然 IE を利用する際には大きな危険が伴う。もしあなたが、旧バージョンのWindowsを使っている約2億人のユーザーの1人で、Internet Explorer(IE)に最新のセキュリティ機能を導入したいなら、クレジットカードを用意すべきだとのこと。
  5. パッチ未適用のWindowsシステム、「生存時間」は約20分
  6. 第2四半期、最も多かったハッカー攻撃はIEの脆弱性を利用したもの
  7. マイクロソフトはIEを消滅させるのか

IE の危ない点は、セキュリティホールの多さに加えて Windows のシステムとあまりに密着していること、インターネットユーザーの過半数が IE を利用しているため愉快犯的なワーム(ウィルス)製作者にとっては格好のターゲット層であること、もあるわけで(それに加えて反マイクロソフト派のコンピュータに詳しい過激派の人なんかがいるとかいないとか)(風説の流布になりそうなので敢えて語尾を濁す)。そんな感じの重大な問題点に加えて(使い続けることのデメリット)、些細ではあるけれども別のブラウザを使った方が幸せになれること(乗り換えることのメリット)もいくつかあるわけで。

例えば機能(操作性含む)がショボい、ということ。Opera でネイティブに実装され Mozilla/Mozilla Firefox で拡張機能により実装可能なマウスジェスチャー、あるいはタブ機能、ウェブログによって日本でも流行の兆しのある RSS、半透過 PNG への対応、CSS への対応……後半はウェブサイト制作者向きの機能であったりしますが、マウスジェスチャー・タブ・RSS は使い始めたら病みつきになる便利さ。

というような感じで「使い続けると危なげな点」と「乗り換えた方がよさげな点」があるため、乗り換えの手間を惜しいとは思わない人にはぜひ乗り換えてみていただきたいという。ということで知り合いに説明したことがこの文章の発端であって(スタートに戻る)。導入の手順だとかそういったことは以下のわかりやすいサイトを参照するといいと思います、と。

まだかな正式版。

著者の John Carroll 氏のことはよく知らないけれど、このような批判的なコラムが現れることは Mozilla/Mozilla Firefox コミュニティ、ユーザ、傍観者にとって利益を生み出せるチャンスであるのでとても良いように思える。問題点を浮き彫りにすることができるという点は、妄信的なユーザが集まってしまっては難しい側面があるからである。

とはいっても、この文書が有効で意味を持つものとは言い切れないように感じる。同意できる点は誤った安心感に浸ってはいけないFiref oxがIEの直面しているような脅威にさらされていない理由は、Firefoxが消費者の95%が使っているブラウザではないからの二つに絞られ(後者はそれだけが理由ではないけれど。現在、Mozilla/Mozilla Firefox が比較的セキュアなブラウザであることは間違いないだろうけれど、利用者の意識が根底から変わらなければ繰り返しになる可能性は大いにある)、その他の点はネタ的な意味合いがあるのかと思えるほどであった。氏はブラウザ固有の特殊な機能を押し通そうとするのは、私の趣味ではないと主張するが、テーブルレイアウトという特殊な用法を押し通すためにIEとの互換性をもっと考えるべきと訴えている、と思われても仕方のない文書である。オープンソース叩きが叩かれるのではなくて、時代に逆行した主張を正しいと信じ切っているから渋い顔をされるのである。楽な・安易な・容易な方法を選択し続けては、本来の目的や利便性というのは廃れ切って忘れ去られる夢物語になってしまう。

良く言えば、彼は現実的にウェブ制作者の側面に立ちコスト(費用・労力)対結果を考えることのできる人物だということだけれど。

とりあえず一人、IM 経由で Firefox に乗り換えさせてみた。拡張機能がどんな感じに便利か、なんてことは実践しながら体感しやすいのだろうけれど、Live Bookmark なんかの便利さはどう説明したら上手く伝わるか。無理に英語のドキュメント読めとか、ごく一般的な利用者に RSS の概念を理解しろっていうのも無茶な話だしなぁ。