劇場で観たかったのだけれど諸事情により観られなくて、DVD レンタルが開始されてから二回くらい借りて、ワゴンセールで VHS が二百円くらいだったので結局購入。また久し振りに観た。何度目か。
観る度に「リワインドでない(時系列に沿った)映像はどんな風だろう」と思うのだけれど(恐らく実際の撮影は時系列に沿って撮影されているだろう、とか。ポラロイドの走り書きや映像のつなぎ目から見ても)、多分その元のフィルムを一度観てしまったら物凄く味気なくてつまらない映画だと感じるようになってしまう気がする。この方法でこのストーリー、というのがこの映画たる所以であって。よくよく考えながら観るといくつか設定に穴があって(確かそれはクリストファー・ノーラン自身が オフィシャルサイト で言及していたような)、けれどそれを実感させる間もないほど切迫した映像であるように思えるのは、観る側がレナードに思い切り感情移入できるからであって、その仕掛けはやはり「右も左もわからない」のが観客だけでないという設定が一役買っている、と。
原因を知らずに結果を知ることは、結局のところ結果を知らずにいるのと大差ないことだ、ということを実感する映画。何度も何度も。最後のシーン(時間の流れ的には冒頭のシーン、ということになる。ややこしい)でのレナードの台詞はやけに象徴的で、それはそれとして哲学ぶった顔をして受け止めればいいのだけれど、左胸に "I did it" だか "I've done it" だかの刺青を入れたレナードと妻が抱き合っているシーンをどう解釈したものか毎回困っている。そのまま受け止めればいいのだろうけれど。
あとはサミーの妻(架空の人物)が数十年後の Björk に見えて仕方がないとか。あとポラロイドは振らない方がいいそうです。
はじめまして。
最近「SAW」(結構楽しみ)のパンフレットで「メメントよりも少ない××日間」と撮影期間が短いことに触れられてのを思い出しました。細かい数字は物凄い勢いで失念しましたが(二十一日?くらいだったような)。
DVD は本編だけで満足しきってました。今度借りる機会があったら観ようかなぁと思いつつ、多分観たら今までと全然違う観方になってしまうだろうなぁということを怖く思いつつ。
情報どうもありがとうございました。
asiamoth
はじめまして。『亜細亜ノ蛾』の管理人です。
>リワインドでない(時系列に沿った)映像はどんな風だろう
とのことですが、DVDでは、時系列に沿って再生することができますよ(映像特典 : リバース・シークエンス再生)。たしか「ああ、なるほど」と思ったシーンもあり、お勧めです。
もう一度、レンタルされてはどうでしょう?